新居見さんご一家(山保地区へ移住)
若い頃からの夢を叶え、山の中の集落へ。地域の人や学校関係者とのあたたかい交流や、気軽なアウトドアライフを楽しんでいます。
プロローグ

山が好きで、若い頃から山の近くで暮らしてみたいと思っていたという新居見励さんと、趣味のロッククライミングを通して励さんと出会い結婚した有美さん。約1年間の準備期間を経て山梨へ。南アルプス市で約半年間暮らした後、2023年6月に市川三郷町山保地区に家族で移住しました。
(1)移住したいきさつを教えてください
大好きな山の近くで暮らしたくて、つくばから山梨へ。

励さん:もともと転勤族で、当時は茨城県つくば市にいたのですが、好きな山登りがもっとできる山の近くで暮らせたらいいなと思っていました。ただ、移住すると言っても何をどうすれば良いのかわからなかったので、まずは独身時代からよく来ていて友人もいた山梨に焦点を当て、何かしらの伝手が作れないかと思って頻繁に通うように。1年ほど続けた後、2023年の冬に家族で南アルプス市に来ました。その時点で前職はやめていたので、アパートを借りて飲食店やキャンプ場でアルバイトしながら今後の仕事について考えました。そして、友人の紹介で移住前からご紹介いただいていた市川三郷町の地域おこし協力隊に挑戦してみようと思い、応募。採用されたのを機に市川三郷町に引っ越してきました。
有美さん:結婚前に「いつか山の近くで暮らしたいと思っている」という話は聞いていたので、夫から、「今の仕事を辞めて山梨に移住したい」と言われたときも驚きはなく、その時が来たんだなと思いました。下の子を妊娠中でしたが、出産してしまうと動けなくなると2人で相談し、生まれる前に移住しました。山梨には地縁も血縁もなく、不安や戸惑いもありましたが、夫がやりたいようにするのが最善だと思いました。以前から、子どもにはモンテッソーリ教育を受けさせたいと思っており、長女はその実践園に転園できたので、教育面は安心でした。
※モンテッソーリ教育とは、子どもの「自分で育つ力」を信じ、その力を引き出すための環境づくりを大切にする教育法です。
(2)どんな暮らしをしていますか?
地域おこし協力隊を経て、自分の得意なことを活かせる安定した仕事に就きました。 自然豊かな場所にある定住促進住宅で、家族仲良く暮らしています。

励さん:地域おこし協力隊のミッションは、受け入れ機関であった山保にある農家民宿のお手伝いや、地域のための活動でした。山梨では今までやったことのない仕事に挑戦してみようと思っていました。でも、しばらくやっていく中で、ゼロから新たなことを始めるよりは、すでに自分が持っている資格や経験を活かして家族を養っていこうと思い、そういった求人を探しました。現在は、甲府市にある大学に技術職員として勤務するかたわら、副業で気象予報士の講師をしています。これで、生活も安定しました。市川三郷町から勤務地までは車で1時間かからないほどですね。
下の子がまだ小さいので登山やクライミングからは遠ざかっていますが、休日には家族で山や湖へ出かけてアウトドアライフを楽しんだり、庭でモノづくりに勤しんだり…。昨年は近所の方の紹介で田んぼを借りることができ、以前からやってみたかった米作りにも挑戦しました。

有美さん:市川三郷町に来てからは、町の定住促進住宅に住んでいます。家族で移住する、子どもを市川東小学校へ通わせるなど、いくつか条件がありましたが、幸いにも我が家は条件をクリアしているということで、ここに住めることになりました。庭付き3LDK一戸建てで家賃は月2万円。自然豊かな環境にあり、近隣の方々も良い方ばかりで、楽しく子育てをしています。幼稚園児だった娘は小学2年生になり、息子も2歳になりました。娘が通う市川東小学校は規模がとても小さく、今年の生徒数は全校で6人。縦割りの活動が多く、年齢を問わずみんな仲良く過ごしています。運動会などの行事には、家族はもちろん地域の方たちも参加するなど、地域ぐるみで子どもを育てているあたたかい学校です。
(3)市川三郷町の魅力は?
自然豊かな山の中にいても、仕事や教育の選択肢は豊富。 地域の人のあたたかさも大きな魅力です。

励さん:山の中に住んでいますが、車さえ運転できれば、甲府にもアクセスが良いので、仕事はもちろん、幼稚園や学校、習い事などの選択肢が広いことは大きな魅力だと思います。町内にある四尾連湖ではウォーターアクティビティも楽しめますし、富士五湖も近い。さらに、北杜の方まで遊びに行くにしても気軽に行けるので、アウトドアも手軽に楽しめます。
人が良いことも魅力です。ご近所の方から「畑で採れたから」と、穫れたての野菜をおすそわけいただくことも多いですし、以前から挑戦してみたいと思っていた米作りも、ご近所の方の紹介で実現しました。小学校に話をしたら、ぜひ授業の一環として子どもたちにも経験させたいということになり、田植えをみんなでやりました。とても楽しかったです。その後も、地域の方や学校の保護者の方たちの協力を得て昔ながらの方法で米作りをし、秋には120キロほどのお米が収穫できたので、協力してくださった方々と分けました。稲刈りの日はいろんな人が集まり収穫祭のようなことをして楽しかったです。こういうことができるのも、このまちの魅力だと感じています。

有美さん:この辺りは自然が豊かで、人も穏やかだなと感じます。遠くまで行かなくてもすぐそこに自然があるから、庭でトマトやハーブ、いちごなどを育てたり、焚き火をしたり、お散歩しながら近所の飲食店で放し飼いにしている動物に会いに行ったりということを日常のなかで楽しみながら、ゆったりした気もちで子どもたちと向き合うことができています。車が少ないので、小学生の子どもたちは比較的安全に外で自由に遊ぶことができますし、子どもたちも、庭でトマトやいちごを見つけるとそのまま口に入れるなど、のびのびと育っています。人生の中で子育てができるのは限られた時間だけ。その時間をこんな風に過ごせるのも、ここで暮らしているからなのかなと感じます。
(4)メッセージ

励さん:自分の経験からいうと、何か一つ軸になることがあると、移住がスムーズに進むように思います。僕の場合は山の近くへ行って暮らしたいということでしたが、もう少し具体的に、例えば仕事や学校などを事前に決めておくと、それを核にしていろいろなことを決めていくことができます。
また、気になる場所があるなら、現地に足を運び、お祭りやちょっとした催し物などに参加してみると、その地域のことや住んでいる人の様子が体感できるのでお勧めです。実は僕たちも、来年はもう少し規模を大きくして米作りをする予定です。田植えや稲刈りなどのイベントにはいろんな人に参加していただきたいと思っています。
有美さん:自然が身近に感じられる場所でゆったりと子育てをしたいという方には、市川三郷町はおすすめです。娘が通う市川東小学校はとても小さく娘の学年は2人だけ。先生の目も指導も行き届くので勉強についての心配はありませんし、体育も縦割りでやるなど、異年齢の子と関わる機会も多いと思います。また、町外も含めて習い事の選択肢は広いですし、ちょっとしたイベントや催し物も多いので、そういった機会に他の子どもたちと触れ合う機会を作ることもできます。ここにはここの良さがあるので、それを感じに、ふらりと遊びに来てもらえたら嬉しいですね。
(5)プロフィール

新居見 励さん(徳島県出身・38)
有美さん(千葉県出身・41)
長女(8・小2)
長男(2)
南アルプス市を経て、2023年6月に市川三郷町山保地区に移住


