根津さんご一家(大同地域へ移住)
新規就農して14年。自分たちで作った野菜を毎日食べられる幸せを感じながら、家族4人、仲良く笑顔で暮らしています。
プロローグ

山梨県北杜市での農業研修を経て、2012年に市川三郷町で新規就農した根津弘毅さん。そのタイミングで美奈子さんと結婚し、以来夫婦で「ねづ農場」を営んできました。
市川三郷町内に建てたご自宅に伺い、14年目を迎えた市川三郷町での暮らしについてお聞きしました。
(1)移住したいきさつを教えてください
大学卒業後、北杜市での農業研修を経て、市川三郷町で新規就農しました。

弘毅さん:大学は東京農業大学でしたが、農業を志していたわけではないんです。ただ、僕は大学在学中に1年間メキシコに留学し、4年次の8月に帰国したので、就活の時期を逃してしまったんですね。後に就職氷河期と呼ばれる厳しい状況もあって苦戦が続くなかで、就活の一環として農業も考えるようになりました。そして、インターネットで見つけた北杜市の梶原農場で1週間の体験を経て農業研修生となり、大学卒業後3年間住み込みで働きながら有機農業を学んだ後に独立しました。
農業は気候風土が重要なので、研修先の近辺で独立するパターンが多いのですが、僕の場合は、研修先の紹介ですぐに有機農業ができる農地を借りられることになったので、それまでまったく縁のなかった市川三郷町に移住して就農しました。
美奈子さん:夫とは学生の頃からのお付き合いです。大学卒業後は都内で会社員をしていたのですが、彼が独立するタイミングで退職し結婚。市川三郷町のアパートで一緒に暮らし始めました。最初の1年は山梨県立農業大学校の職業訓練コースに通って学び、その後は彼と一緒に農業をやっています。
(2)どんな暮らしをしていますか?
夫婦で「ねづ農場」を営み、年間約40種類の野菜を有機栽培しています。
弘毅さん:新規就農者が農地を借りるのは難しい面もあるのですが、幸いにも、山梨県の農務事務所や市川三郷町役場の担当の方が気にかけてくれていろいろな情報をくれたり、こつこつ作業している姿を見た町内の農家の方が声をかけてくれたりして、自宅近くに農地を広げることができました。現在は約1ヘクタールの畑で、レタスやホウレンソウ、玉ねぎ、にんじん、大根、ナス、ピーマン、キュウリなど、年間40種類ほどの野菜を育てています。収穫した野菜は、近隣のスーパーに設けていただいている直売コーナーに「ねづ農場」の屋号で並べたり、学校給食や近隣の飲食店に納めたり、生協に出荷したりしています。この地域で有機農業に取り組んでいる農家は他にないこともあり、販路も順調に広がっています。美奈子さん:移住して3年後くらいに、生活に便利な地域に土地を購入して自宅を建て、農作業に不可欠な作業小屋や苗を育てるビニールハウスも整備しました。子どもも2人生まれたので、子育てをしながら農業をしています。夫婦2人だけでやっているので忙しいのですが、夫と種や苗のカタログを見ながら「次はこれを作ってみようか」と話し合う時間も楽しいし、自分たちが作った野菜が「おいしい」と言ってもらえることも嬉しいので、あまり苦労は感じません。なにより、自分たちで作った野菜を食べることができることに幸せを感じています。
(3)市川三郷町の魅力は?
自然豊かなのに生活の利便性は高く、子育て支援も充実。地域の方々と、ほどよい距離感でお付き合いできるのも魅力です。

弘毅さん:自然豊かなまちなのに、ショッピングセンターがいくつかあって買い物の便も良いですし、病院も近くにあって、とても暮らしやすいと感じています。また、人柄の良さも魅力ですね。家を建てたときに自治会に入れてもらいましたが、近隣の方も良い方ばかりで、つかず離れずの気持ちの良いお付き合いができています。小学生になった子どもがラグビーのクラブチームに入ったのを機に、スポーツ経験がある僕もコーチをさせてもらうようになりました。お付き合いの幅が広がり、楽しく活動させてもらっています。
美奈子さん:田舎過ぎず都会過ぎない“ほど良さ”が、私は好きですね。自治会活動もお祭りや清掃などの行事が多少あるだけなので煩わしさはそれほど無く、楽しんで参加させてもらっています。また、子育てに関しても、待機児童の心配はなくスムーズに保育園に入ることができましたし、給食費や医療費が無料になるなど子育て支援も充実しています。今、子ども達が通う小学校は全校生徒40名ほどの小規模校で、勉強も生活面も先生方の目が行き届く安心感があります。2人とも楽しく学校生活を送れているようなので、子育てにもとても良い環境だと感じています。
(4)メッセージ

弘毅さん:就農を目指すのであれば、まずは農業生産法人などで働くことから始めるのが良いと思います。市川三郷町には、就農希望者を受け入れている農業生産法人がありますし、役場の担当者も協力的です。さらに、「甘々娘(かんかんむすめ)」という全国的に名の知れた特産品があり、僕は有機での栽培が難しいのでやっていませんが、収入を得やすいので、チャレンジするには良い環境だと思います。
美奈子さん:私たちの場合はたまたまうまくいきましたが、夏の涼しさに魅かれて憧れの古民家を購入して高冷地に移住したら、冬が寒すぎて後悔したという友人もいるので、移住を決める前に、まずはいろんな季節を過ごしてみることをお勧めします。
※甘々娘(かんかんむすめ)とは、トウモロコシの品種の一つです。
(5)プロフィール

根津弘毅さん(東京都昭島市出身・41)
美奈子さん(愛知県北名古屋市出身・42)
長男(11・小5)
次男(8・小2)
北杜市での3年間の農業研修を経て、2012年に市川三郷町下大鳥居に移住。


