弭間さんご一家(八之尻地域へ移住)
ライフワークともいえる活動に取り組むため、山梨へ移住。熱い思いと長年温めてきた計画に賛同してくれた市川三郷町で、夢への歩みを進めています。
プロローグ

2013年頃から、会社員として働きながら、週末になると山梨へきて、マウンテンバイクで山道を健全に走れるような環境づくりのためのボランティア活動をしていた弭間亮さん。ゼロから始めた活動が忙しくなったことで会社を退社し、2020年に山梨へ移住。山梨県内全域での活動を経て、2024年1月、市川三郷町八之尻地区に移住しました。
(1)移住したいきさつを教えてください
始まりは、「マウンテンバイクで自由に遊べる環境を整えたい」という思い。その思いを地域振興につなげるなど徐々に広げてきた活動を、理解し、賛同してくれた市川三郷町に、家族で移住。

亮さん:僕は田舎で自然の中を駆け巡りながら育って、大学時代には探検部で活動していたくらい、アウトドアが好きなんですね。会社員になって、週末しか自由な時間が無くなって、前のように遊べなくなった時に見つけたのが、マウンテンバイクという新たな楽しみでした。ところが、いろいろと調べてみると、日本には自由にマウンテンバイクで遊べる環境がほとんどないということがわかったんですね。それで、マウンテンバイクで山道を健全に走れるような環境を自分で作ろうと思って、山梨県内全域でゼロから活動を始めました。その後、この活動が忙しくなったので、2020年に山梨に引っ越して専念することに。南アルプス市や甲府の昇仙峡など山梨県内全域で活動していたのですが、そうした中で2022年に市川三郷町役場の方々と話をする機会があり、町長さんに僕の目指すものについてお話をさせていただいたところ、「町として一緒にやっていこう」とおっしゃっていただき、議論を重ねた末に2023年に包括連携協定を締結。市川三郷町で活動を本格化させるに伴い、家族で移住しました。
知佳さん:主人とは、アルバイト先の上司と部下として出会いました。お付き合いをしていたときから山梨に通ってボランティア活動をしていることは知っており、「会社を辞めて、活動に専念しようかな」と相談されたときも、自分でやりたいことがあるという意思がはっきり見えたので、彼が自分の望む人生を歩むためにもそうすべきだと思いました。私自身は、都会で育ったものの、以前から自然豊かなところで暮らしたいという思いが強かったし、ガラス工芸作家としての活動が本業なので、田舎で作家活動をするのもいいなと考え、2020年に彼が山梨に来るタイミングで結婚しました。
(2)どんな暮らしをしていますか?
活動を円滑に進めるべく2つの法人を設立。公園の指定管理も担いながら、夢の実現に向けて奔走しています。

亮さん:一般社団法人山守人と、株式会社山守人という2つの法人を立ち上げて、企業や自治体、会員の方々の支援を頂きながら、マウンテンバイクのためのトレイルや登山道の整備や維持管理、マウンテンバイクの普及のためのイベントや体験教室の開催など、日本でマウンテンバイクを多くの人に楽しんでもらうためのさまざまな活動をしています。
2023年10月からは、市川三郷町にある市川公園の指定管理者になり、木々が生い茂ってまるでジャングルのようになっていた公園内を段階的に整備するという活動も始めました。公園の一部にマウンテンバイクのためのトレイルを設け、メーカーの協賛を得てレンタルバイクを用意して、初心者やお子さんにも楽しんでいただけるようにしています。より多くの方にマウンテンバイクの魅力を知っていただくため、イベントや体験教室も開催しています。仕事が順調なのはありがたいのですが、忙しくなりすぎて家のことや子どものことを妻に任せる場面が多くなってしまっていることに、悔しさも感じています。

知佳さん:山守人の活動拠点を市川三郷町に移したのを機に、私たち家族も市川三郷町で暮らそうということになりました。仮住まいのつもりで南アルプス市に家を借りていたので、それまでにも、いずれはしっかりとした家を持とう、できれば古民家がいいよねという話を二人でしていて、時間を見つけては、町内のいろいろなところを見て回っていたんですね。その日は、山の中の集落をちょっと探検してみようという感じで家族で行って、適当に車を停めて歩いていたら、「何してるの?ちょっと寄っていかない?」と声をかけてくださった方がいたので、ご自宅にお邪魔して、主人が、自分の活動の話をしたら、「あんたみたいな人に買ってもらいたい」とおっしゃるのです。話を聞いたら、その方が長年住んできたお家で、おじいさんはすでに亡くなっているんですが、そのおじいさんが継いだ大切な家だし、山を守ってくれる活動をしている人に大事に住んでもらえたらと。なんだか不思議な出会いでしたけれど、これも森がつないでくれた縁というか出会いというか、そんな感じがしています。
今はその家に住みながら、改修を進めているところです。私自身は妊娠中ということもあって一旦自分の仕事をお休みし、上の子の面倒を見つつ、主人の仕事も手伝いつつ、穏やかな毎日を過ごしています。
(3)市川三郷町の魅力は?
前向きで変化を恐れない人たちがいる、穏やかな性質の内側に、熱いパワーと高いポテンシャルを秘めた市川三郷の人々。歴史を感じる町並みや、生活の利便性が高いことも魅力です。

亮さん:人が穏やかですよね。歴史的に産業があり、経済的に豊かな土地だったから、穏やかな人間性なのかなと思っています。
市川三郷町は小さな町ですが、役場には、「神明の花火」という例年20万人以上を動員する巨大なイベントを、長年企画運営してきたという実績とノウハウがあります。すごいパワーがあって、ポテンシャルも高い。僕はそこにも魅力を感じています。そういう情熱のある人たち、戦闘力の高い人たちと一緒に、日本にまだ存在しない新しい事業に挑戦できていることに、喜びを感じています。
知佳さん:息子は保育園に通っているのですが、町内に選択肢があって自分たちに合った園を選べましたし、出産についても、町外にはなりますが山梨大学医学部付属病院や山梨県立中央病院が近くにあるので、心配はしていません。周囲には、保育園でであったお友達親子と気軽に遊びに行ける公園もいくつかあるので、それもいいですね。
地域の方々は、みなさん本当に親切にしてくださって。私たちは余所者なのですが、すごく気遣ってくださるので、ありがたく思っています。今住んでいる集落は6世帯ほどの本当に小さな集落で、住んでいる方々も高齢者がほとんど。日常のちょっとしたやり取りからも、とても歓迎していただいていることが伝わってきます。街並みもいいですね。瓦屋根の古い家が多くて、雰囲気も素敵です。
(4)メッセージ

亮さん:市川三郷町は、自然が豊かな歴史ある町ですが、「神明の花火」のとき以外は観光客が多いわけでもなく、住んでいる人もみな穏やかなので、落ち着いた生活ができると思います。ショッピングセンターが近くにあるなど生活の利便性は高く、都市部にいるときとそれほど変わらない暮らしができるのも、安心要素の一つかもしれませんね。小さなまちなので、役場と住民の距離が近いことも魅力です。
いきなりの移住は不安もあると思うので、じっくり考えてから決めることをおすすめします。僕が管理する市川公園ではマウンテンバイクの体験が楽しめるので、これをきっかけにまずは遊びに来ていただき、町の様子なども感じていただけたらと思います。
知佳さん:生活面では、田舎だから不便ということはあまりなくて、逆に、直売所で新鮮な野菜が手に入るので、都会にいた頃よりもおいしい食材を手に入れることができるようになりました。自然の中で思いっきり体を動かして遊べる環境が身近にあり、子どもは元気に走り回って、すくすく育っています。静かで穏やかな暮らしを求める人におすすめしたい環境です。ぜひ一度、遊びに来てください。
(5)プロフィール

弭間 亮さん(山形県鶴岡市出身・44)
知佳さん(埼玉県川口市出身・40)
長男(3)
2020年に山梨へ移住。南アルプス市での仮住まいを経て、2024年1月、市川三郷町八之尻地区に移住。


